済・高円寺駅前皮膚科 | 日記 | 股ずれ:下半身の皮膚病 ─ 肌荒れの理論?皮膚科学(6)
2015/04/20
股ずれ:下半身の皮膚病 ─ 肌荒れの理論?皮膚科学(6)
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陰股部と臀部 ─ 心地よく秘密めいた場所 ・このシリーズもしばらく
顔 に執着してしまいました。 わが意に反し反省しています。
そこで気分一新、明るい農村。 ニッポンの村々、やはり大切にしたいもの少子化対策。
──本日はおとなしく下がって参ります。 しょうしかそうすか、申しませんです。
・皮膚は全身にあるのに、部位別に
偏見 をもって優劣がつけられているように感じます。
一方は飾り立て、他方は秘匿し。この上下関係は何なのでしょう。 ─ 院長存じません。
なんとなく、こういう順番になるので、そのへんはご理解いただければと存じます。
・さて、間違いない人体観から始めますと、このへんの場所は蒸れやすく擦れやすいです。
したがって、この連載で重視している角質系と毛包脂腺系、両方がダメージを受けます。
前者の代表が股ずれであり後者の代表がお尻ニキビ、や臀部慢性膿皮症と言えます。
・マタズレにしてもオシリニキビにしても、字面だけで馬鹿にしてはいけません。
押しも押されぬ皮膚病の好発部位。──「
おしも」まだ死語の世界入ってナイツよね?
ときに恐ろしい病気の前兆や見間違いであったり?はしないことを願っております。
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股ずれ ─ あるいは皮膚疾患の分類・私論 ・医者にできることはなんでしょうか。 諸説あるようですが、こと皮膚科であれば、
1.
抗菌 パワーを処方する。塗り方や飲み方を親身に教えたりする。 ≒
感染 2.
ステロイド を処方する。塗り方や飲み方を気合で施したりする。 ≒
炎症 3.
手術 をする。病気の怖さや切り方縫い方を冷たく諭したりする。 ≒
腫瘍 4.なんか
補う。効能や明るい未来を熱く語りつつ注射したりする。 ≒
欠乏 ──以上、決して本気にされぬよう、ご賢察のほどよろしくお願い申し上げます。
・結局こういう話をしはじめると、騙り続けるしかないので、まずは
受診 して下さい。
こういう場で、語れるような話ではない。ことは自覚・自戒しているつもりです。
・ただ上記のような枠組みで、病気を大雑把に捉え直そうとする中で、見えてくるのも。
やはり「
治療」を最優先に考えたいと ─ これが医師としての院長の出発点です。
・話が脇にそれました。疲れましたのでまたいずれ。 ─ いつ?いや今でしょマタズレ。
1.股の感染: ヘルペス・紅色陰癬・股部白癬・カンジダ性間擦疹・疥癬…
2.股の炎症: 間擦性湿疹・接触皮膚炎・固定薬疹・尋常性乾癬・慢性膿皮症?…
3.股の腫瘍: 脂漏性角化症・粉瘤~慢性膿皮症?・乳房外 Paget 病…
4.股の欠乏: Hailey-Hailey 病、腸性肢端皮膚炎…
・いくつかの疾患に関してはべつの機会に。一方、既に
日記 に織り込み済みのもあり。
→ 引き続きリンクもご活用を リングらせんループばーすデイ!にょろにょろ未読。
・つまりつまって、本日はおもに
鼠径部=股部 こぶの皮膚病のお話です。そーけい。
○部や○囲に適度によろめきつつ、元気に生きて参りましょう!マタマタぁ~~。
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股部の感染症 ─ あるいは感染症の分類 ・これは皮膚科に限らず、感染症はその
agent の生物学的特性によって分類します。
(1)
ウイルス:細胞なし。 (2)
細菌:核がない細胞。
(3)
真菌:核がある細胞。 (4)
動物:運動力と寄生。
・ちなみに院長、動物でなく肉食/草食いずれもあてはまりません。
植物性 人間です。
栄養源はおもに C2H5OH に依存します。光合成はできない偽植物→早く真になりたい。
──ただの冗談とご理解下さい。書物と食物を愛する、ただの変なおじさんです。
★
陰部ヘルペス ← HSV ∈ウイルス感染症
・小水疱やびらんを伴う紅斑がまたまた出たりします。おもに ○部と○囲 に。OIOI。
・どちらかというと、鼠径部にまで生じるような例は珍しいです。おさらいしときますと、
単純ヘルペスウイルス
HSV は主に初感染時、周囲の広範囲に播種状に感染します。
★
尖圭コンジローマ ← HPV ∈ウイルス感染症
・概ね正常皮膚色の小結節が多発し、白色に角化して花野菜状に育つこともあります。
・どちらかというと、鼠径部より○部○囲○裂部が多いようです。おさらいしときますと、
ヒト乳頭腫ウイルス
HPV が微細な外傷から表皮基底層に達して感染が成立します。
★
紅色陰癬 ← コリネバクテリウム∈細菌感染症
・ウッド灯で紫外線を当てて診断すべき疾患ですが、検査に必要な暗室の敷居が高いです。
起因菌とされる
Corynebacterium は、わりと普通に皮膚に見られる細菌のような。
・抗生物質の外用薬で治療します。します? あたしゃ、あんまりせん、かもなぁー?
★
股部慢性膿皮症 ← ブドウ球菌??∈細菌感染症????
・おまたに
おでき ができては自潰排膿し(つぶれ)て、治ったと思ったら又同じ場所に。
・こうしたおできは「粉瘤 ふんりゅう」と俗に呼ばれますが、実は粉瘤、奥が深い。
なんでも粉瘤!叫ぶんは、個人的にはごにょごにょ信用~~。次回参照→ 。
★
股部白癬 いんきんたむし ← 白癬菌∈真菌感染症
・明瞭な境界が特徴。しばしば辺縁に海綿状丘疹が多発し、落屑と堤防状隆起を呈します。
とはいうものの、見た目だけで紅色陰癬↑ や間擦性湿疹↓ 、を除外するのは困難。
・ちゃんと顕微鏡、見させて下さい。おお、生きとる生きとると皮膚科医安心いたします。
★
カンジダ性間擦疹 ← カンジダ菌∈真菌感染症
・こちらも明瞭な境界の紅斑であることが多いですが。辺縁の薄い落屑と膿疱がポイント。
・ちゃんと顕微鏡……以下Do。 以前に力作ありますので夜露死苦。
間擦疹 っとね。
★
疥癬 ← ヒゼンダニ∈動物性感染症
・陰嚢に痒みの強い痒疹丘疹を生じます。ダニの分布が広がると、鼠径部も痒くなります。
・ちゃんと顕微鏡……以下Do。 以前に力作ありご参照を。
自家感作せい やっとね。
★
毛虱症 ← ケジラミ∈動物性感染症
・どちらか言うと下腹部でしょうか。頭虱が運動力に富む一方で、毛虱はけっこう植物性。
動植物の境界はどこにあんのか、ゆうておくれなユーグレナ。 誰がゆうかい大誘拐。
── なんてゆってたら、中学生の時のあだ名シラミ、思い出しちまったじゃねか。
・その虫の形は蟹 カニ っぽく、基本
毛 の根っこに棲みついて皮膚から血を吸います。
卵はもうちょっと上けえ?毛? スミスリンR という殺虫剤がことのほか有効です。
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股部の皮膚炎 ─ あるいはしつこく間擦疹 ・炎症性疾患は大きく分ければ
免疫系 の正しい認識と、やり過ぎな認知に分類できます。
前者の代表が 感染症 で、後者の代表が アレルギー性疾患 でしょうか。
──しかし、理解と誤認の境界は曖昧なものです。まずはきっちり、観察しぃん。
★
間擦性湿疹 ← 蒸れて擦れて確執がぁ
・物理的に蒸れて擦れて、角質が痛みやすい代表が鼠径部であり、
皮膚炎 が好発します。
肥満、多汗、にょろにょろごにょごにょ、増悪因子にはご注意を。めたBarrier?
・しかしそこには agent の介入あるカモン。 病原体を見逃すと治療のつもりが逆に…。
病原体が生きてるなら、免疫抑えてまったら燃え上がる一方でステ、治療にはならん。
いずれにせよ色んな理由、で鼠径部はメラメラと黒ずみがちです。
Hot Cake っと。
★
陰嚢湿疹 ← 薄くて弱くて気になるんやぁ
・陰嚢や大陰唇はもともと皮膚が薄く、ことに物理的侵襲に弱い傾向があります。さらに
わりと手が届きやすい位置にあり。特に子どもでは興味関心の的になりやすくもあり。
意味もなくボリボリやっていると、容易に
湿疹 を生じ、びらんや苔癬化を来しがち。
・当たらず触らずそっとしておくに限ります。意志の力が必要です。石や医師やに頼らず。
そういえば陰嚢は角質が薄いせいか、カンジダは蔓延っても、白癬は来ませんね。
★
接触皮膚炎 ← Contactant 特定のお祭り騒ぎやぁ
・はっきり
接触原 がある皮膚炎を指します。一次刺激性とアレルギー性があります。
★
固定薬疹 ← 定着系のリンパ球がぁ
・内界との接点付近には、ある種のリンパ球が常時、定着しては
テキ を見張ります。
色調に特徴あり表皮はびらんすることもあり。表皮基底層~真皮境界部の疾患です。
★
尋常性乾癬・扁平苔癬 ← 浅い炎症性は明るい未来を開くかぁ?
・これらは
炎症性角化症 といい、原因不明でにょろにょろ、未だに湧いちょります。
両者に共通する事象を
ケブネル現象 と呼び、そいえばコンジローマ↑ もなっ、と。
微小外傷を契機に病変拡大します。何か意味があるのだと思いますが(ヒトゴト)。
・さて思いのほか長文になってしまいましたので、3.腫瘍 と 4.欠乏 は省略。
じゃなくって、引きずり続け取り上げます。 ひきずり男でございます。
── 次回に続く。 いずれにせよ春です。なにかがムラムラ、湧いてまいります。
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陰股部の皮膚病のまとめ ─ 当院の取り組み ・おさらいしときますと、実はとても真面目な皮膚科医です。安心して受診して下さい。
★参考作品
・
明るい農村:霧島町蒸留所 ・
心地よく秘密めいた場所:エラリー・クイーン(未読)
・
夢織り人 Dream Weaver:ゲイリー・ライト(うろ覚え。オーボエを吹く馬~日影)
・
マタマタ:爬虫綱カメ目ヘビクビガメ科マタマタ属(ウィキペディア)にょろにょろ
・
ハイサイおじさん:喜納昌吉&チャンプルーズ あ変なおじさん♪だ変なおじさん♪
・
かい~の:間寛平/お○だって洗ってほ○ーの:戸川純 あれちゃうまいっか
・
大誘拐:天藤真 本稿と関連の深い
日記 もありますので、リンクをクリックして、適宜ご参照下さい。
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