済・高円寺駅前皮膚科 | 日記 | またまたニキビを知り:お下・再論 ─ 肌荒れの理論?皮膚科学(7)


2015/04/27
またまたニキビを知り:お下・再論 ─ 肌荒れの理論?皮膚科学(7)


治療に必要な ─ 皮膚疾患の分類 
・医者に何ができるでしょうか 治療 です。そのためには正しい 診断 が欠かせません。
 ソレには病気を性格ごとに 分類 しては 病名 をつけて、割り切る過程が不可欠です。
  1.感染 ≒免疫がんばってるが、力及ばず → 抗菌 パワー(なんでん菌やで)
  2.炎症 ≒免疫がんばりすぎて、鬱陶しい → ステ ロイド(とその仲間たち)
  3.腫瘍 ≒異常なのが多すぎて、鬱陶しい → 手術 をする(ふりをしたり顔)
  4.欠乏 ≒正常なのが足りずに、力及ばず → 補充 をする(ふりをしたり顔)
   ──なや結局、チカラおよばんのと、うっとうしいのしか、あらしまへんがな。
 だからビョーキっていうんです。過剰と欠落しかないんです。ん?なこともないけど?
・結局こういう話をしはじめると、騙り続けるしかないので、まずは 受診 して下さい。
   こういう場で、語れるような話ではない。ことは自覚・自戒しているつもりです。
・もちろん分類には多次元の座標軸がございまして。部位別、もその一つです。 治療も
   感染症においてチカラ及ばぬ免疫系に、グロブリンを補充したりと何でもアリです。
   ★参考文献:部位別皮膚病カラーアトラス 診断と治療:N山先生(とその仲間達)

・話が脇にそれました。明るいお話に戻りましょう。 わき の皮膚病にも縁があります。
  1.股の感染: ヘルペス・紅色陰癬・股部白癬・カンジダ性間擦疹・疥癬…
  2.股の炎症: 間擦性湿疹・接触皮膚炎・固定薬疹・尋常性乾癬・慢性膿皮症?…
  3.股の腫瘍: 脂漏性角化症・粉瘤~慢性膿皮症?・乳房外 Paget 病…
  4.股の欠乏: Hailey-Hailey 病、腸性肢端皮膚炎…
・いくつかの疾患に関してはべつの機会に。一方、既に 日記 に織り込み済みのもあり。
 → 引き続きリンクもご活用を。りんぐラセンるーぷバース様ぁ! 続編イランディ。
・つまり本日もまた 陰部・股部・臀部・肛囲 の皮膚病のお話です。そーけい It's OK。
   周辺にも適度によろめきつつ、元気に生きて参りましょう!マタマタぁ~にょろ。


股部の腫瘍 ─ あるいはソコにある危機 (皮膚科医むけ?) 
・望ましくない?細胞が増殖した場合 腫瘍 と呼びます。良性もあれば悪性も、あります。
 その成因は未だに不明です、うん、運。 というより、原因を知られたらそっち系です。
   最近はウイルスが同定されてきたものも多く、予断を許しません(ヒトゴト目線)。
・メスとハサミとチッソと腕によりを掛けて 除去 します。あたしゃあんまり無理せんと。

  ★乳房外パジェット/ぺージェット病 ← 腺っぽい悪性腫瘍細胞の増殖 
・今回のメインに据えて、「股ずれなめんなよ」と見得を切るつもりだったのですが。
 自信ないので詳細は専門家よろしう。肌荒れと思ってたらジクジクしてきて 隆起 して。
   さほど痒くはないようです。その起源には諸説あり、少なくとも腺細胞ぽい、っと。
・明瞭な境界が特徴ですが、しばしば bizarre な外観を呈します。脱色素斑とか。
 陰股部のほか、肛囲にも好発します。ヘソやワキにも。アポクリン汗腺 でしょうか。
   乳房 Paget(乳頭乳輪)、Paget 現象(直腸肛門・腺?)は内蔵?癌でもあります。
・同じ境界明瞭でも炎症性疾患とは一味ちがう感じがします。特に ダーモスコピー は。
 ちゃんと顕微鏡も見させてちょ。生きちょらん生きちょらんと皮膚科医心配いたします。
   なにがや?カビだぎゃ。インキン・カンジダ・紅色陰癬(暗室ナイツ)除外します。
皮膚生検 という手技と局所麻酔は、こういう時のためにあるのだとま、ご理解下さい。

  ★脂漏性角化症 ← 表皮っぽい良性腫瘍細胞の増殖
・イボ。老人性、とも言うが、それほどでも。 30歳代にはデキてた、ある医師の独白。
  ★尖圭コンジローマ ← 表皮っぽい良性腫瘍細胞の増殖 
・イボ。ウイルス性、とも言うが。 普通のイボとは、HPV ウイルスの型が違いますよう。
   そいえば前回、ベセルナR いうイケてる塗り薬、紹介忘れてました。すみません。
  ★粉瘤?・臀部慢性膿皮症? ← 毛包っぽい良性細胞の袋状増生 
・下記参照↓ 。実は感染症でなく、ましてや腫瘍でもなおねえ、ように感じるのですが。

・あとは必ずしも陰股部に関係ありませんが。書きたくなったので軽く触れます。

  ★基底細胞癌 ← 表皮基底層っぽい半悪性腫瘍細胞の増殖 
・顔に多い皮膚腫瘍ですが部位に関係なく命名するので、どこにでも。腋・股は線状にも。
   転移はしない?が浸潤しますどこまでも。あんま甘く見て、放置しないでおくれな。
  ★有棘細胞癌 ひふがん ← 表皮有棘層っぽい悪性腫瘍細胞の増殖 花野菜状… 
・これこそドコにでもある危機。皮膚はどこにでもあるので、そこそこ危険です。
 紫外線?放射線?瘢痕?熱傷?結核?狼瘡?汗孔角化症?ポイキロ? Poikiloでるま。
   ── 先行病変 がある、という説が有力です。そー○○。詳細は専門家よろしう。
・ちなみに包○は泌尿器科様の守備範囲っぽいです。手術手技が違うからだと思います。

メラノーマ が、なぜ恐るべき疾患なのか。 進行した Paget癌 もまた恐るべし。
   有棘細胞癌はそれに比べればまし。 基底細胞癌はマシマシ。 なにが? 転移 が。
・表皮の細胞は (ヘミ)デスモゾーム という強い絆で結ばれます。しかし悪くなるほど、
 細胞の形態はポイポイ度が増して分化度を減じ、未分化 でばらばらな細胞になりがち。
   どこにでも行きます、居心地さえ良ければ。 ちゃんと 顕微鏡 見て下さい病理学。
・メラノサイトに kizuna はなく、Paget細胞 (分泌系?)にもあんまり、結合力なさそ。
 一方、表皮には い い 棘 あり、基底には膜もあり、そう簡単にはバラけません。ただ、
   腫瘍になると……未熟なのは悪い。だから教育とか医局とかあるんでしょ。テキト。
・マニアック・止めときます・が。 メラノーマにだってちゃんと最新治療が、あります。


股部の欠乏 ─ あるいはドコにある不足 (皮膚科医むけ?) 
・本来あるべき細胞/機能が、遺伝子やら物質の 不足 で生じる疾患もあり、うんうん。
・しかし最近の 遺伝子 へのこだわりっぷりは、はっきり言って常軌を逸してます。。。
 最新の知見が真実などと、思い込んだら百年目。 抜けがけ現金、任せな巨人軍。
   じゃなねカネに任せるな厳禁?あん?ジェリーならジョリイだと、ジュリーだろ。

  ★ヘイリーヘイリー病 ← ゴルジのCaポンプ不全←ATP2C1遺伝子変異 (コピペ)
・ワキや股や○囲にびらん性~膿痂疹様の紅斑を生じます。成人期発症 ←ハプロ不十分。
・つまり、ある種の分子を細胞が欠くために、いい きょく を作り損ねるようです。
 優性遺伝ですが、体の成長期には変異してない方の遺伝子がせっせと働き、賄います。
   大人にこそ不足が顕在化するようで、ありそうな話です。その後のケアが大切です。
  ★腸性肢端皮膚炎 ← 亜鉛欠乏症(先天性/後天性) 
・おクチとおシモ両方に現われる代表的な疾患です。先天性は出生後すぐに発症、また
 亜鉛欠乏母乳による乳児の後天性もあるとか。後天性は亜鉛欠乏輸液によるのも有名。
   ──実は皮膚科、亜鉛 には縁が深く。味覚障害とか脱毛/爪傷害→プロマックR。
・さらに明るい村々にも不可欠とか。牡蠣食えや柿食えや欠きつつ書きつつ食えやくえや。

  ★硬化性萎縮性苔癬 ← 膠原線維 炎症 
・全身に起こりえますが、女性陰部が特に有名(陰門萎縮症)。皮膚が白っぽく硬化し、
 萎縮してきます。 原因不明ですがリンパ球を始めとする炎症細胞が浸潤しますので、
   どうかして線維芽細胞?が殺られて膠原線維が不足し、萎縮するのだと思います。
  ★肉芽腫様弛緩皮膚症 Granulomatous Slack Skin  ← 弾力線維 腫瘍 
・皮膚T細胞リンパ腫のまれな病型です。全身赤くなり腹や股の皮膚がだらんと垂れます。
 リンパ球は免疫の要です。ひとたび腫瘍になると厄介です。だから専門家よろしう。
   どうかして線維芽細胞?が殺られて弾力線維が不足し、弛緩するのだと思います。

・前二者と後二者の間の空白行には意味が、あります。多次元の座標軸があるんです。


お尻にきび≒臀部毛包炎と慢性膿皮症 ─ あるときは皮膚癌と 
・厳密にはお尻にニキビはできません。ん?本来のざ瘡の定義には「脂腺性毛包」を主座
 とする疾患、いう縛りがあるようです。毛が退縮して皮脂腺だけ残ってるやつ。一方で
   尻毛という言葉もあるくらいですし、臀部毛包には、わりと毛が生えるようにも。
・院長、個人的には以下のように使い分けておりましたが…分かんなくなっちゃいました。
  ★痛いのは: 毛包感染≒おでき ∋毛包炎、せつ… ← 細菌感染 による炎症
  ★痛くないのは: ざ瘡≒にきび ∋面皰、尋常性… ← 異物反応 による炎症

・しかしたいていのヒトの皮膚には大部分、毛が生えないものですし。 一方でわさわさ
 毛が生える頭にも、にきびのような痛くないのも、痛がゆいようなおできもできるし。
   毛が生えつつも、頭や股部の分泌はお盛んだ=皮脂、とも言われているようですし。
・どうでもいい、と匙を投げたくもなります。 しかし、がーん。 こじれたお尻ニキビ、
 である 臀部慢性膿皮症 を放置すると、皮膚がん(有棘細胞癌)の発生母地になるとも。
   皮表を剥がして網 あみ にして貼り直すと治るともいいます。 詳細は専門家よろしう。
・まあ一介の開業医と致しましては、そう(皮剥ぎに)ならんよう、どうにかしたいす。

・以上お尻ニキビ→いわゆる粉瘤→臀部慢性膿皮症→皮膚癌、という煽○も有力ですか。
   そうならないよう努力をおしもまないのが、真の皮膚科医という者、でしょうか。
・思いのほか長文になってしまいましたので、またいずれ。ひきずり続け取り上げます。
   しかしどう見ても、肌荒れとは関係ないような、この病気。 実はあるんだぎぁ。


ニキビの治療・再論 ─ あるいは最新の外用薬 ベピオR お知り!かんけーねえ?
・おさらいしときますと、表皮構造の袋の中は異物の塊です。袋が破れれば異物が漏出し、
 たぶん二次的に細菌も増殖し、免疫担当細胞を巻き込んだ大騒ぎ=炎症、が起こります。
   こういった破綻と修復を続けるうちに、なんだか判んなくなっちゃいますよう。
・だったら、こじれない (面皰や粉瘤の)うちになんとかしましょう。外科的に?
   面皰圧出 の困難は半端ナイツね。当院はもう少し大きい 粉瘤へそ抜き 得意です。

・最近またニキビの塗り薬が湧いております。まず4月から、かの○ホ様の ベピオゲルR
 が処方できるようになりました。過酸化ベンゾイル BPO を薬効成分とする外用薬です。
   その「酸化作用」により、抗生物質と違う形でアクネ菌やらブ菌やら殺します。
・さらに角質を適度に痛めつけることで薄く剥く、ピーリング作用も有しています。
   毛穴のつまりをとります。 塗るだけで毛包の奧に届くんかい、という気もするし。
・まあ 殺菌 だろうと ピーリング だろうと、効けばよいです。あとは価格と使用感。
   あそうだ、冷所保存と、酸化作用による衣類の脱色(漂白)にはご注意下さい。
・ディフェリンR、BPO製剤、アカスリ、なんにしても、ピーリングは肌を荒らします。
   そして荒れた肌は余計に毛穴詰まりやすくなったりしません?つまり詰まって、…

肌荒れを制する者が、ニキビを制す。 その先はきっと、真剣勝負でございます。
   あそうか、適応疾患「尋常性ざ瘡」は顔の病気なので、お尻には関係ありません。
   ── 次回に続く。 そんなの関係ねえ!という連呼も聞こえてくるよな春です。


●○部の皮膚病のまとめ ─ 当院の取り組み 
・おさらいしときますと、実に真面目な皮膚科医です。安心してまずは受診して下さい。


★参考作品
外陰部皮膚疾患アトラス:西山茂夫 日本医学出版 
ラヴ・ビザール A Love Bizarre:シーラ・E プリンス一派だ、文句あるか♪ 
尻尾っぽい:○○ピー これがまた、検索しても出てこないんだオラ しっぽ出せ♪ 
巨人の星:江○卓、じゃね梶原一騎と仲間たち 重いコンダラ、検索してビックリ♪ 
危険なふたり:沢田研二 あーん、あーん、それでもぉ♪○しているのぉにぃいー♪ 
殺しへの招待:天藤真 


本稿と関連の深い 日記 も、あります。お時間はかかりますが、適宜ご参照下さい。

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