済・高円寺駅前皮膚科 | 日記 | しゅさ(赤ら顔)、ざ瘡(ニキビ)、脂漏性皮膚炎(フケ症)、… ─ セボレア 脂性 の理論皮膚科学・続

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済・高円寺駅前皮膚科 の日記

しゅさ(赤ら顔)、ざ瘡(ニキビ)、脂漏性皮膚炎(フケ症)、… ─ セボレア 脂性 の理論皮膚科学・続

2014.05.02

酒さ≒赤ら顔 ─ “体質”+“慢性炎症”=その定義は可能でしょうか?? 
・院長、アブラしょう、で困っております。苦難もございましたが、今でも元気です。
・「あからがお」というほどではありません。 家系でしょうか?遺伝でしょうか?
   ── 実は院長、酒査皮 しゅさ かもしれないと疑いつつ、現在に至ります。
 今回も、謎に満ちた皮脂腺と関連疾患に、ゆる~くイイカゲンに迫って参ります。
家系、の話をいたしますと。 父親は酒呑みです。冗談の範囲内ではアル中と言えます。
 家族みんなで酒呑みです。ワタクシも日々、アル中へと向かって地道に歩んでます。
   アルデヒドデヒドロゲナーゼ、だっけか、いまや成人デビューの基礎知識です。
・われら兄弟は小学生時代、父親のほっぺたに「イトミミズ」という生物を想起しました。
 亀のエサになります。 皮膚のイトミミズは毛細血管拡張(症)といって、
   立派にレーザー治療の保険適応疾患です。(アル中の方はご遠慮頂いたほうが…)
酒さ Rosacea という疾患は、ものの本によると1・2・3度とすべて症状が異なり、
   同じ病気とも思えないほどです。が。唯一この「毛細血管拡張」が共通項です。
・なので、勝手に次のような分類を自認しております。他認はされてません。
   ★表皮が炎症の主座となる脂漏 セボレア → 脂漏性皮膚炎 
   ★真皮が炎症の主座となる脂漏 セボレア → 酒さ しゅさ 
   ★毛包が炎症の主座となる脂漏 セボレア → ざ瘡 ざそう ニキビ 
 ── 誰がなんといおうと、毛細血管は真皮のものである、というのが唯一の論拠。
・皮脂腺と皮脂の分泌が病的な結果にいたる状態を 脂漏 しろう seborrhoea と言います。
   教科書を見ると、その代表が上記にあげた三疾患であるわけです。
・皮膚そのものと皮脂腺という付属器と、を巻き込む複雑さがソソリます。がもともと
 あまり系統的な概念でもなく、なんでも「ストレス」にされかねないのでご注意を。
   個人的には、大きな問題点は四つある、と考えております。
   ★マラセチア=済   ★物理的刺激   ★異物反応   ★自然軽快 

酒さの症状と診断 ─ 酒飲みの末路とは… 
・酒さの診断は、症状に基づいて行います。 ─ 酒呑みにツッコんだ問診は禁忌?
   ★1度=ほっぺたと鼻を中心に、赤っぽくなる。毛細血管が拡張している。
   ★2度=ほっぺたや鼻やアゴに、ニキビのようなブツブツと毛細血管拡張がある。
   ★3度=鼻がボコボコに盛り上がる(鼻瘤)。毛細血管も拡張している。
・毛細血管の太さは、もともと動静脈の収縮・拡張に応じて可逆性に変化します。
 これが不可逆的に太くなった、病的な状態を「毛細血管拡張症」と言うわけです。
   1度の酒さは、ある程度可逆性があって、赤くなったり元に戻ったりします。
・などというと、酒さは進行性の疾患で、1→2→3度と進んでいくような言い方ですが。
 必ずしも、そうではない、ように感じています(次節)。 この疾患において、
   問診を重視しない理由というか。 むしろ虚心に、その方の“体質”を見極めたい
・酒さの背景には、必ず毛細血管が拡張しやすい、顔が赤らみ易い体質があります。
 その体質がある方のみに許される、ある意味、高貴な病名であると。勝手に思ってます。
・しかし、身に覚え、ございませんか? 上記の1→2→3度の定義は、おそらく、
   実在の酒呑みの“顔面崩壊”の末路を、つぶさに記述しただけ、のものであろうと。
・つまり、酒さという疾患を定義されたエラい先生の頭ん中には、たぶん、特定個人、
   = 酒呑み、の顔が浮かんでおられた、であろう。 ── にもかかわらず。
 酒を飲まないヒトにも、立派に起こる疾患であった!!!のでございます。

酒さの原因 ─ 家系と物理的刺激と生理化学的負荷と 
・酒さの原因は 不明 です。と教科書に書いてあります。 飲酒は増悪要因です。
・おそらく、家系が関係あります。単に“体質”やら遺伝、だけではありません。
   生活習慣には家系が根深く関係します。 コドモと酒、呑むのいいねえ、とか。
・さらに身に覚えがあるのですが、物理的刺激 というのはいかがでしょうか。
 ときに「鼻だけの酒さ」という方をお見かけします。いきなり3度?というタイプ。
   間違ってたら平謝りですが、鼻、いじって(揉んで)ません? 
・院長はわりと最近まで、普通の浴用石鹸で、頭も顔もバリバリこすってました。
 皮脂と垢がとれる快感、でしょうか。古びたバリバリのタオルでも擦ってました。
   結果については ゲンキのモト 様の実写がございますので、ごらん下さい。
   最近多少、悔い改めましたので、その成果はご来院の上おたしかめ下さい。
 ただし物理的刺激を悔い改めても、飲酒にはもう少し時間を、とゴネておきます。
・ちなみに院長の自己診断は脂漏性皮膚炎、です。それほど酒さと、見極めがつきにくい。

・最後にもう一つの増悪要因として、ステロイド外用・内服をあげておきます。
・ステロイドは、ものによっては強力な血管収縮作用を有し、塗れば肌は白くなります。
 だから強いのをいつも塗ってると、血管どもが自助努力をさぼりがちになります。 
   ── 薬がキレれば、ときに血管が収縮しきれずに、赤ら顔になります。
・しかしこれは、あくまでも副作用であり、正しく使えばその恐れは、さほどありません。
   血管収縮能だけで論じるのも誤り。 ── 薬はなんでも、毒にも薬にも なります。
・ちなみにステロイドを原因として特定できるなら、酒さ様皮膚炎という別の?病気です。

● 酒さの治療 ─ 保険の治療法は、ほぼありません。 
・というわけで日々、悪戦苦闘しております。 保険診療において、
   「酒さ」の適応病名をもつレーザーとか薬とか、あんまり見たことないような。
 そもそも、定義も病態も原因も「不明」な疾患を、厚労省が相手にするか。 
・それでも「全額自己負担だけど、いいレーザーありまっせ」とも
 「体内に蓄積した毒素を出しましょう」とも申しません。 当院のポリシー?です。
   けっこう患者さん人口は多いように感じるので、どうにかしたいし、します。
 ── 患者さまでもお医者様でも、お時間があればどうぞ高円寺までご足労下さい。

酒さの病理 ─ 生検したこと、ありますか? (皮膚科医向け) 
皮膚病理組織学において、炎症性疾患の認知と評価と判断は、とても難しい。
   だからこそ面白いテーマであると、勝手に思っています。
・酒さの病理学は、プレパラート上では毛細血管拡張が認知しにくいこともあり、
 血管および毛包周囲性の炎症、しばしばに肉芽腫性、の炎症が特徴と記憶しています。
・このへんが、次のテーマである「異物反応」に関わってくるのですが。
 なにせ、異物肉芽腫 Foreign Body Granuloma は、最多の肉芽腫性炎症ですから。
・「垢と脂を貯め込んだ」異物の塊=毛包、が Pathogenesis に関わらぬはずはない。
   ざ瘡 Acne やら、顔面播種状粟粒性狼瘡 LMDF やら、…どこで線引き?
・「酒さ性ざ瘡」という保険病名もある、くらいでございますし。
   保険適応の治療は、あんまりありませんが。   (しつこいって。) 
・ワタクシ実は、生検したこと、ございません。

今回も真皮レベルで力つきたため、さらなる続編をお約束して、いったん終了します。

● ざ瘡≒にきび ─ 多様な炎症の形:尋常性、膿疱性、嚢腫性、集簇性、…

● 脂漏性皮膚炎≒脂漏性湿疹≒ふけ症 ─ マラセチアと皮膚炎とこすり癖と湿疹と…


★アル中検定 (アルコール依存症) 
・毎日呑みますか?  ・幸せですか?  ・救われますか? 
・何も感じませんか?  ・震えますか?  ・小動物、いますか?  テキトーご勘弁

本稿と関連の深い 日記 を列挙させていただきます。お時間の許す限りご参照下さい。
・ 湿疹・皮膚炎 ─ 理論皮膚科学の第2か3章
・ しもやけ ─ 循環不全による皮膚疾患への序章
・ 皮膚の付属器の疾患 ─ 脱毛、にきび(ざ瘡)、巻き爪(陥入爪)、などなど
・ 脂漏性皮膚炎(フケ症)、酒さ(赤ら顔)、ざ瘡(ニキビ)、… ─ セボレア 脂性 の理論皮膚科学


140530更新: 本稿と関連の深い 日記 を追加しております。どうぞご参照下さい。
・ ざそう(ニキビ)、脂漏性湿疹(ふけ症)、酒さ(赤ら顔)、… ─ セボレア 脂性 の理論皮膚科学・新
・ ざ瘡(にきび)─ セボレア 脂性 の理論皮膚科学・完 :そして、慢性膿皮症と粉瘤(ふんりゅう)

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